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特集 異種移植の現状と展望
異種移植を可能にする抗体関連拒絶反応の克服
Overcoming antibody-associated rejection to enable xenotransplantation
大段 秀樹
1
,
田原 裕之
1
,
坂井 寛
1
Hideki OHDAN
1
,
Hiroyuki TAHARA
1
,
Hiroshi SAKAI
1
1広島大学大学院医系科学研究科消化器・移植外科学
キーワード:
異種移植
,
抗体関連拒絶反応
,
マクロファージ
Keyword:
異種移植
,
抗体関連拒絶反応
,
マクロファージ
pp.277-281
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28304277
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動物の臓器を用いた異種移植の実用化に向けて障壁となるのが,糖鎖抗原に対する難治性拒絶反応である.本稿では,異種糖鎖抗原に対する抗体関連拒絶反応に既存の免疫抑制薬が効かないメカニズムを概説する.筆者らは,BTK阻害薬(ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬)やHDAC阻害薬(ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬)が,きわめて効果的にこれらの難治性拒絶反応を回避しえることを発見した.これらは本来,抗癌剤として開発された薬剤に新たな薬効を見出したもので,すでにヒトでの安全性や体内動態が確認されており,ドラッグリポジショニングとして臨床応用に高い期待が持たれる.
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