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第5土曜特集 小児医療の最先端
心理社会医学編
エコチル調査の成果と今後の展望
Research outcomes of Japan Environment and Children’s Study(JECS)and its future perspectives
上島 通浩
1
,
山崎 新
2
,
中山 祥嗣
2
Michihiro KAMIJIMA
1
,
Shin YAMAZAKI
2
,
Shoji F. NAKAYAMA
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科環境労働衛生学分野
2国立環境研究所環境リスク・健康領域エコチル調査コアセンター
キーワード:
エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)
,
コホート研究
,
環境
,
母子保健
Keyword:
エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)
,
コホート研究
,
環境
,
母子保健
pp.533-538
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205533
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エコチル調査(正式名称:子どもの健康と環境に関する全国調査)は,環境省の事業として2010年度にはじまった出生コホート研究である.全国10万組の親子を対象とし,「胎児期から小児期にかけての化学物質などの環境因子が子どもの健康に影響を与えている」という仮説の検証を目的に,子どもの健康状態を胎児期から追跡する.研究成果を国の環境保健・化学物質対策や,エビデンスに基づく国民の行動変容などにいかすことが目指されている.これ以外にも母体の健康状態,栄養,生活習慣,社会経済要因,遺伝要因などの子どもへの影響の解明が行われ,小児科および産科医療の現場で各種の診療ガイドライン,基準値などとして成果利用が進みつつある.エコチル調査の当初計画の対象年齢は12歳までとなっていたことから,2021年度に「健康と環境に関する疫学調査検討会」が環境省に設置され,エコチル調査のこれまでの総括が行われたうえで,13歳以降の展開に関わる提言が2022年3月に報告書としてまとめられた.これに基づき調査の延長展開に向けた準備がはじまっている.
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