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特集 ADHDの最近の知見――発症メカニズムと治療法
はじめに
Introduction
岩波 明
1
Akira IWANAMI
1
1昭和大学医学部精神医学講座
pp.127-127
発行日 2022年1月8日
Published Date 2022/1/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28002127
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- Abstract 文献概要
注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)は,不注意と多動・衝動性を主な症状とする発達障害のひとつである.これまで,発達障害といえば小児期の疾患であり,主に福祉や教育の対象とみなされてきたが,最近になり成人期の発達障害に注目が集まっている.これは小児期にみられる発達障害の症状が,成人になっても継続的にみられることが明らかになってきたためである.ADHDの当事者の学校や職場におけるパフォーマンスの悪さやケアレスミスの多さは,周囲からは否定的に評価され,「真面目に取り組んでいない」「仕事にやる気がない」,あるいは「能力不足」とみなされやすい.さらに周囲からのストレスが続くことによって,うつ病やパニック発作などの不安障害の症状を併発することも多い.
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