Japanese
English
展望
思考障害の認知科学的研究—現況と課題
Present and Future in Thought Disorder Research: clinical significance and biological background of formal thought disorder
畑 哲信
1
,
中込 和幸
1
,
岩波 明
2
,
丹羽 真一
3
Akinobu HATA
1
,
Kazuyuki NAKAGOME
1
,
Akira IWANAMI
2
,
Shin-Ichi NIWA
3
1東京大学医学部精神医学教室
2昭和大学医学部精神医学教室
3福島県立医科大学神経精神医学教室
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Showa University
3Department of Neuropsychiatry, Fukushima Medical College
キーワード:
Thought disorder
,
Schizophrenia
,
Rating scale
,
Etiology
,
Biological marker
Keyword:
Thought disorder
,
Schizophrenia
,
Rating scale
,
Etiology
,
Biological marker
pp.8-21
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904463
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■はじめに
思考障害は精神分裂病の基本障害の1つとされ,精神科領域において重要な研究テーマである。思考障害研究の意義としては,このように,精神症状の1つの核として精神疾患の病態理解の手がかりとなるという点,および思考障害の研究を通して,思考という高次精神機能の理解に迫ることができるという点が挙げられる。思考障害の研究は,主として心理学的な立場から行われてきたが,近年の認知科学の発展に伴い,思考障害についても認知科学的な研究が多く行われるようになってきた。すなわち,認知科学とは,認識機能を中心とした人間の精神機能についての認知心理学,神経生物学の立場からの総合的研究である。
本総説では,こうした認知科学的思考障害研究の到達点と今後の課題についてまとめようとするものである。
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