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特集 COVID-19と循環器疾患
日本でのCOVID-19に対するECMOの現状
-――日本ECMOnetレジストリ・データからみえてくるもの
Current status of ECMO for COVID-19 in Japan
――What we can see from the Japan ECMOnet registry data
大下 慎一郎
1
Shinichiro OHSHIMO
1
1広島大学大学院集中治療医学
キーワード:
コロナウイルス
,
アウトカム
,
生存率
,
死亡率
Keyword:
コロナウイルス
,
アウトカム
,
生存率
,
死亡率
pp.875-879
発行日 2021年11月27日
Published Date 2021/11/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27909875
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,わが国において複数回の患者急増をきたした.COVID-19急増対応では,災害医療に準じた情報管理が重要となる.NPO法人日本ECMOnetは,重症COVID-19患者を対象としたCRISISというオンライン・レジストリーを立ち上げた.2020年2月~2021年9月までに1,111名のECMO症例が登録され,生存離脱667名(60%),死亡319名(29%),現在もまだ治療中が125名(11%)である.生存率は68%(667/986名)であり,これはELSOの成績(生存率43~49%)よりも良好である.この違いの背景には,医療逼迫度,患者選択,集約化,治療プロトコール,変異株など,さまざまな要因が関与している可能性がある.今後も治療成績を維持・向上させるためには,成績向上につながる要因を解明し,将来に備えることが重要である.
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