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特集 難聴の治療――再生医療から人工聴覚器まで
人工中耳の最新情報
The latest devlopments of active middle ear implants
岩崎 聡
1
,
高橋 優宏
1
Satoshi IWASAKI
1
,
Masahiro TAKAHASHI
1
1国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科
キーワード:
人工中耳
,
リオン型人工中耳
,
VSB
,
音質
Keyword:
人工中耳
,
リオン型人工中耳
,
VSB
,
音質
pp.720-725
発行日 2021年2月13日
Published Date 2021/2/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27607720
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人工中耳は,世界ではじめてわが国で開発されたリオン型人工中耳を契機にさまざまなデバイスが市販されている.そのなかでVSB(Vibrant Soundbridge®)は,現在わが国で伝音・混合性難聴症例に対して唯一保険承認されている半植込み型の人工中耳である.中耳根治術後などの難治性中耳病態症例や外耳道閉鎖症例がよい適応となる.VSBは体内部と体外部から構成され,体内部の導線の先端にあるFMT(floating mass transducer)とよばれる振動子が内耳窓を直接駆動し,振動を内耳に伝達する電磁式の人工中耳である.人工中耳VSB手術には,FMTの留置部位によって正円窓留置法と卵円窓留置法の2つのアプローチがあり,症例に応じて2つの手技から選択できる.VSBの聞こえ方の特徴は音質のよさであり,装用者の主観的評価でも良好な結果が得られている.
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