特集 Paget病とその周辺
ワンポイント解説
乳房外Paget病の皮疹型分類の有用性
熊野 公子
1
1西宮市立中央病院皮膚科
pp.958-961
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004295
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「乳房外Paget病(extramammary Paget's disease:EMPD)の型分類って何? 聞いたことありません」「EMPDは男性でも女性でも腫瘍境界がわかりにくいと教えられています.そんな疾患の型分類などどうしてできるの?」「いや,できるはずなどない!」という読者がほとんどだろうと思う.
実際にEMPDはプライベートパーツの,しかも複雑な構造をしている外陰部に好発する.そのため,診断が遅れやすく,病巣もいろいろな修飾を受ける(図1-ap1).ところが,そうした「放置状態」の皮疹でも,まずは清拭を続けると,2~3週間後にはEMPDの病巣をきれいにキャッチできるようになる(図1-ap2).それは,わが国のEMPDガイドラインでいうところの「手術時の切除範囲の縮小化」に役立った1).そして,それは,ここに示すEMPDの病巣皮疹の3パターンの分類をも導いた.
このEMPDの皮疹の型分類は,単なる「形だけの分類」ではなく,臨床の場で大いに役に立つ.その一部を紹介する.

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