特集 冬の皮膚病
Editor's eye
浅井 俊弥
pp.1033-1033
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002207
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが続く中,皮膚症状をきたした症例の報告が欧米を中心になされるようになった.当誌も読者に,なんらかの情報提供を早急に行いたいと企画した.editorである山本俊幸先生が,日々増加する症例報告や総説を集め,多くの時間を割いてTopicsとしてまとめてくださった.さらに,臨床写真の転載についての連絡等,多大な貢献をしてくださり,ここに心から感謝の意を表したい.さらなる感染拡大があれば,皮膚症状を主訴に皮膚科に来院する無症候者,軽症者があるかもしれない.今後もウイルス感染症としての急性発疹症,凍瘡様ないし川崎病に類似した紅斑,さらに血栓形成に伴う循環障害に注目していきたい.川崎病様症状については,この分野の第一人者である髙橋啓先生に文献的考察を執筆していただいた.併せてご一読いただきたい.
さて,本号のテーマは「冬の皮膚病」である.冬といえば寒冷,乾燥,循環障害に伴ういくつかのcommon skin diseaseを思い浮かべる.しかし,学会で発表される症例はさほど多くなく,集積に難渋した.そこでadviserの先生方に,テーマにふさわしい症例がないか伺ったところ,多くの先生方から提案いただくことができ,冬にふさわしい皮膚疾患が網羅できた.皮脂欠乏性皮膚炎と鑑別が必要になった疾患,凍瘡様紅斑を伴う症候群,寒冷刺激によって生じる蕁麻疹,発汗異常などを執筆していただいた.先生方にもあらためて感謝の意を表したい.
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