特集 見逃してはいけない薬疹
Editor's eye
馬場 直子
pp.97-97
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000001930
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「この皮疹は薬疹でしょうか?」という他科からの質問に悩まされたことのない皮膚科医はいないであろう.他科の医師からは,皮膚科医なら薬疹かそうでないかはみただけで見当がつくと思われている節がある.薬疹の可能性は常に念頭に置かなければならないことはいうまでもないが,薬剤を使っているからといって,安易に「薬疹でしょう」といってしまうと,ほかの大事な疾患を見落とす可能性がある.常に鑑別疾患をできるだけ多く考え,それらを1つ1つ除外しながら薬疹だけが残ったら大いに疑い,詳細に検討するべきである.
薬疹のタイプは多彩であるから,その分鑑別しなければならない疾患の種類も多い.そのことを意識して,今回は苔癬型,固定,紅斑丘疹型,蕁麻疹型,Stevens-Johnson症候群,TEN(中毒性表皮壊死融解症)などあらゆるタイプの症例の中から,それぞれの鑑別疾患を丁寧に除外していき,どのようにして薬疹を疑い,検査を進めていき確定診断に至ったのかがよくわかる報告を選んでみた.
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