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免疫チェックポイント阻害薬による白斑と臨床効果の関連
大塚 幹夫
1
,
菊池 信之
1
,
山本 俊幸
1
1福島県立医科大学皮膚科学講座
キーワード:
悪性黒色腫
,
生存期間
,
奏効率
,
白斑
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
悪性黒色腫
,
生存期間
,
奏効率
,
白斑
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.998-1004
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000001206
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)であるニボルマブが本邦で承認された2014年以降,根治切除不能・転移性悪性黒色腫の治療法は大きく変化した.ダカルバジンを中心とした化学療法の部分奏効率は約10%,完全奏効率は5%以下であり,生命予後の延長は証明されなかった.一方,ニボルマブ,イピリムマブ,ペンブロリズマブなどのICIや,BRAF/MEK阻害薬により根治切除不能・転移性悪性黒色腫の治療成績は飛躍的に向上するとともに,イピリムマブ以外の薬剤は術後補助療法としても承認されている.しかし,これらの薬剤はすでに知られている通り,生命予後に関わる,あるいは回復不能な重症の有害事象を生じる可能性がある.薬価も従来の抗癌剤治療に比べかなり高額であることから,効果予測因子としてのバイオマーカーの探索が急務である.腫瘍細胞のPD-L1発現率やperformance status,転移部位や転移臓器数など統計的にICIの奏効に関わる因子が知られているが,これらの因子では個々の患者の効果を予測することはむずかしい.その中ではICI治療中に生じる白斑が,奏効や生命予後との関連で注目されている.(「はじめに」より)
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