特集 小児医療者のための虐待の知識
虐待防止対策
古田 繁行
1
Shigeyuki Furuta
1
1聖マリアンナ医科大学小児外科
pp.1132-1135
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001001
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はじめに
児童虐待は,日本をはじめとする多くの国々において深刻な社会問題となっている。特に小児期に受ける虐待は,身体的および精神的な健康に多大な悪影響を与えることが知られており,長期的な社会的適応や心理的発達にも悪影響を及ぼすリスクがある。近年,日本国内における児童虐待の相談件数は増加の一途をたどっており,2020年には約20万件にも達している。この背景には,親や養育者の育児ストレス,精神的健康の問題,経済的困窮などが関与しており,これらの要因が複雑に絡み合うことによって虐待が発生する可能性が高まっている。
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