特集 小児医療者のための虐待の知識
虐待と小児外科
小川 厚
1
Atsushi Ogawa
1
1福岡大学筑紫病院臨床医学研究センター
pp.1088-1090
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000992
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はじめに
子ども虐待と小児外科医との関わりについて,日本子ども虐待医学会理事長の立場から報告する。日常的に子どもの診療を行う小児外科医は,その診療内容から子どもの外傷を扱うことが多いと考えられる。背景のない外傷であった場合は1診療科で対応可能だが,外傷が子ども虐待に伴うものであった場合,多職種・多機関との連携が必要になってくる。この場合はカルテ記載の方法や,連携作業の段取りが一般診療と異なってくるため,子ども虐待対応の知識が必要となる。子ども虐待事例では,傾向として小児科専門医の診療を避けたり,受傷後時間が経過してから受診することなどが知られているため,ファーストタッチが小児外科医であることも考えられる。すなわち子ども虐待の第一発見者が小児外科医であることが想定され,対応のための知識が必要になると考える。日本子ども虐待医学会の取り組みが小児外科医の診療の一助となれば幸いである。
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