特集 検査・処置・手術の合併症:予防と対策
検査・処置
下部消化管内視鏡検査・処置
十河 剛
1
Tsuyoshi Sogo
1
1済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科
pp.1152-1155
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000625
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はじめに
小児は成人と比べて大腸が相対的に長い。体重10kg未満の乳児でも50cmほどあり,成人の90cm程度と比較すると,小さな体に長い腸管が収まっていることがわかる。そのため,後腹膜に固定されていないS状結腸と横行結腸が複雑な走行をしており,小児の下部消化管内視鏡検査を困難にしている。高齢者と比較して弾力性があるためスコープによる裂傷は起こりにくいが,特に乳幼児では腸管壁が薄いことに留意しておく必要がある。また,成人ではがんの診断や治療が主目的であることが多いのに対し,小児ではがんは非常にまれであるため,炎症を評価するのが主目的となる。合併症を予防するうえでも,成人と小児のこのような違いについて理解しておく必要がある。
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