特集 アトピー性皮膚炎―新旧治療のベストバランス
総論 アトピー性皮膚炎を俯瞰する
アトピー性皮膚炎の鑑別診断
玉城 善史郎
1
TAMAKI Zenshiro
1
1埼玉県立小児医療センター皮膚科
pp.11-14
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002194
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はじめに
アトピー性皮膚炎(AD)は,瘙痒を伴い,特徴的な皮疹が対称性に分布し,慢性・反復性の経過をとるものとされている。その症状は乳児期から成人期までみられるが,ライフステージにより皮疹の性状や分布などが変遷していくことが特徴として挙げられる1)。その多彩な症状から,多くのほかの皮膚疾患と鑑別が必要となることが多い。小児ADと鑑別となる疾患は,乳児湿疹,汗疹,亜鉛欠乏症,接触皮膚炎,疥癬,膠原病などがあり1),本稿ではこれらの疾患について概説を行う。疾患によっては,ADの治療を行っても症状の遷延や悪化を招くことがあるため,ピットフォールに陥らないように留意する必要がある。
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