特集 アトピー性皮膚炎―新旧治療のベストバランス
序―アトピー性皮膚炎治療の過去と未来
小林 茂俊
1
KOBAYASHI Shigetoshi
1
1帝京大学医学部小児科・アレルギーセンター
pp.5-6
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002192
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アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は,増悪と軽快をくり返す,かゆみのある湿疹を主病変とする皮膚疾患であり,患者は「アトピー素因」をもつことが多い。小児科領域でよくみられる疾患で,日常診療で頻繁に遭遇する。多因性かつ複雑な病態のため,効果的な治療法の確立は長年の課題であった。ADの病態は長らく解明されてこなかったが,近年は医学の進歩に伴い,徐々に明らかにされつつある。基本的には,ADは「皮膚バリア機能障害」,「瘙痒」,「2型炎症」の3つの因子が相互に関連し,悪循環をきたすことで発症するとされている(三位一体論)。2型炎症を担う2型サイトカインと関連分子は治療ターゲットの候補となり,多くの新規薬剤が開発されている。
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