Japanese
English
特集 小児臨床検査2024
Ⅻ.内分泌・代謝検査
1.下垂体機能検査 5)抗利尿ホルモン
Arginine vasopressin
茂木 桜
1
,
安達 昌功
1
Sakura Motegi
1
,
Masanori Adachi
1
1昭和大学小児科学講座
キーワード:
多尿
,
尿崩症
,
AVP分泌過剰症(SIADH)
,
低ナトリウム血症
,
高ナトリウム血症
Keyword:
多尿
,
尿崩症
,
AVP分泌過剰症(SIADH)
,
低ナトリウム血症
,
高ナトリウム血症
pp.429-431
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001976
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はじめに
抗利尿ホルモンであるAVP(arginine vasopressin)はCYFQNCPRG-NH2と表記される短いペプチドホルモン(MW=1,080)であり,8番目がリジンのLVP(lysine vasopressin)と区別してAVPとよぶ。2つのシステイン残基がSS結合した環状構造をとる。視索上核・室傍核でプロホルモンの形で合成され,下垂体後葉への軸索輸送の間に開裂をうける。複数あるAVP受容体はいずれもGタンパク質共役型受容体である。AVPの主な分泌刺激は血漿浸透圧(視床下部の浸透圧受容体で感知)と循環血液量(心房の容量受容体と頸動脈洞・大動脈弓の圧受容体で感知)であり,それに応じてAVPは抗利尿や血管収縮作用を示す。なかでも,血漿浸透圧による調整は非常に高感度であり,わずかな血漿浸透圧の上昇にも反応し,腎集合管の血管側細胞膜にあるV2受容体に結合することでアクアポリン2を介した水再吸収を促進する。
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