特集 小児の渡航医学
総論
海外渡航者に多い疾患
水野 泰孝
1
MIZUNO Yasutaka
1
1Global Healthcare Clinic
pp.897-901
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001704
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はじめに
海外渡航は健康被害を受ける危険因子となる可能性があることは否めないが,感染症が蔓延している地域への渡航,その地域の衛生状態,限られた医療資源の質によってその程度は大きく異なり,世界の国や地域の感染症流行状況や多種多様な渡航形態よっても感染症罹患のリスクは変わってくる。とくに2019年末に中国・武漢市で発生したSARS-CoV-2感染症(COVID-19)は,海外渡航が自国での流行を拡大させる大きなリスクであることが認識されたことによって,世界各国は検疫体制を著しく強化した。日本においても国内での流行の波のいくつかは海外からもち込まれた新たな変異株を発端とする可能性が示唆された。以前のような規制はほぼなくなってはいるものの,COVID-19は今後も海外渡航者に多い疾患の一つとして位置づけられることになるだろう。
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