地域保健活動の実際例
海外渡航者の健康管理
橋本 博
1,2
1大阪市環境保健局医務監
2大阪市東保健所
pp.213-219
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205354
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
地域保健活動を展開するには地域の実情にみあった進め方をしなければ,その活動が定着したものにならないことは,すでに多く語られている.保健所活動も常に,この方向に努力しているところである.要するに,保健所自身がどういう具体的活動を行うか,そしてその活動を通じて地域住民の健康管理への意識を,どれだけかき立て得るかによって,その活動の方向なり,その展開の評価が下されるべきものと思われる.
最近における疾病構造の変化,公害問題を初めとする環境悪化の諸問題,老齢人口増加などによる医療問題,食糧事情,特に自給能力を失ったわが国の直面する輸入食品問題など,従来保健所が中心に進めて来た公衆衛生の取組みの範囲を著しく拡大しなければ,地域住民の健康を守る要望に対応しえない状勢となって来た.これら多種多様の諸問題の背景の中で,現在当東保健所と地区医師会とが協力し合って,地域特性を生かした保健活動を実施している点について,紹介したい.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.