特集 完全把握をめざす小児の心疾患
後天性心疾患
乳児特発性僧帽弁腱索断裂
渡邊 康大
1
,
麻生 健太郎
1
WATANABE Kodai
1
,
ASO Kentaro
1
1聖マリアンナ医科大学小児科学教室
pp.671-674
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001635
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疾患の概念・疫学(図11))
正常と思われていた乳児に突然僧帽弁の腱索断裂が生じて発生する僧帽弁閉鎖不全を指す。それに引き続き重篤な心不全,呼吸不全を呈し集中治療や外科的治療介入を要する。1995~2013年に発生した乳児特発性僧帽弁腱索断裂を対象とした全国調査では95名の報告があり,生後4~6か月での発症が85%を占めていた。発症時期は春から夏にかけての発症がやや多く,男女比はやや男児に多い傾向にあった。その後の日本小児循環器学会の希少疾患調査でも毎年10~20症例の発生が報告されている。またこれまでの報告例のほとんどは日本人であり,発症頻度に人種が大きくかかわる疾患と考えられている1~3)。
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