特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
総論:診療を巡ってあれこれ
心身症を見抜くコツ―診断の進め方
永井 章
1
NAGAI Akira
1
1国立成育医療研究センター総合診療科
pp.941-944
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000953
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はじめに
小児心身症の定義は「子どもの身体症状を示す病態のうち,その発症や経過に心理社会的因子が関与するすべてのものをいう。それには,発達・行動上の問題や精神症状を伴うこともある」とされる1)。換言すれば心身症の診療は,身体疾患を心理社会的な広い視点で(バイオサイコソーシャルに)行う診療であるといえよう。こうした心身症の診療における心身症の診断は,身体疾患をバイオサイコソーシャルに診療する必要があるという視点を示すものである。そうしたなかで心身症の診断をどう捉え,どのように進めるかは,ある意味で心身症診療の本質的な部分を示すものといえよう。
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