症例
脾臓の位置異常がみられた急性胃軸捻転症の2小児例
川本 大樹
1
,
市川 貴之
1
,
辻本 弘
1
,
神波 信次
1
,
合田 太郎
2
,
三谷 泰之
2
KAWAMOTO Daiki
1
,
ICHIKAWA Takayuki
1
,
TSUJIMOTO Hiroshi
1
,
KOUNAMI Shinji
1
,
GODA Taro
2
,
MITANI Yasuyuki
2
1和歌山県立医科大学小児科
2和歌山県立医科大学第2外科
pp.137-140
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000744
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はじめに
胃は長軸方向(噴門と幽門を結ぶ線を軸とする臓器軸)を肝胃間膜,胃結腸間膜,胃脾間膜で,短軸方向(小彎と大彎を結ぶ線を軸とする腸間膜軸)を胃横隔膜間膜と十二指腸下行脚の後腹膜固定で固定されている1)。この固定が不完全な場合,または先天的に欠損した場合に胃軸捻転症を発症する。胃軸捻転症は,回転軸,発症形式などで分類され,原因となりうる合併奇形として横隔膜ヘルニアなどの横隔膜疾患,無脾症,遊走脾などがある2)。急性胃軸捻転症は,まれではあるが胃穿孔から急激に不幸な転帰をとる症例の報告もあり,嘔吐の鑑別診断として重要である3)。今回初診時に脾臓の位置異常がみられた急性短軸性胃軸捻転症の2症例について報告する。
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