特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
消化器疾患 Crohn病・潰瘍性大腸炎
戸田 方紀
1
,
新井 勝大
1
TODA Masanori
1
,
ARAI Katsuhiro
1
1国立成育医療研究センター消化器科・IBDセンター
pp.1590-1593
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000399
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はじめに
炎症性腸疾患(IBD)は日本を含む世界で発症率・有病率ともに増加している。わが国での小児IBD患者の有病率は,2013年において小児潰瘍性大腸炎(UC)患者が15.0人/10万人,小児Crohn病(CD)患者が7.2人/10万人である。また全IBD患者の約25%が18歳未満で診断されており,小児IBD患者の約1/4は,10歳未満で診断されている。この時期に診断され,小児科で治療が始まった患者もいずれは成人になっていく。小児のIBD患者はIBDに精通した小児科医が少ない現状のため,診断時から成人の消化器内科で治療を開始する場合も少なくない1)。
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