特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
腎臓・尿路疾患 ネフローゼ症候群
寺野 千香子
1
,
竹内 康雄
2
,
石倉 健司
3
TERANO Chikako
1
,
TAKEUCHI Yasuo
2
,
ISHIKURA Kenji
3
1あいち小児保健医療総合センター腎臓科
2北里大学医学部腎臓内科学
3北里大学医学部小児科学
pp.1511-1516
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000384
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はじめに
わが国では小児ネフローゼ症候群は16歳未満の小児10万人あたり年間6.5人に発症し,2~5歳が好発年齢で約50%が5歳未満で発症する1)。80~90%はステロイドにより速やかに寛解するステロイド感受性ネフローゼ症候群であるが,そのうち約30~40%は再発を頻回にくり返す頻回再発型ネフローゼ症候群(FRNS)やステロイド依存性ネフローゼ症候群(SDNS)である。小児期に治癒せず,成人期以降も継続した管理を要するネフローゼ症候群の割合は約20~50%と報告されている2)。このようにネフローゼ症候群患児では,小児期発症であっても成人期以降の継続した管理が必要となることはまれではない。
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