特集 育児相談Q&A
各論:1~2歳
きょうだいゲンカを減らすにはどうしたらよい?
須藤 章
1
SUDO Akira
1
1楡の会こどもクリニック
pp.978-980
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000234
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基本的には介入しない
はじめに押さえておくべきこととして,ケンカをしない姉妹兄弟はまずいないということである。児童精神科医の佐々木正美は,2020年発行の著書で「きょうだいゲンカはスポーツです。いいも悪いもない。親が下手に価値判断すると必要以上にこじれるだけです」と唱えている1)。親の役割は,経過を見守って,ゲームセットの宣告をする審判として考えればよいということだ。泣き声が聞こえたなら,「ハイ,もうおしまい」と声をかけ,「どなったり,説教したりしてはいけません。そのあとは,気持ちを落ち着かせ,気分転換させてあげましょう」と述べている1)。そして,きょうだいゲンカの素晴らしさは,「自然な仲直り」を学べることで,そんな体験をくり返すことが,その後の友達づきあいに役に立つと書かれている。まして,低年齢幼児のきょうだいケンカは,成長とともに減ってくることが多いため,基本的には余計な介入をしないほうがよいであろう。養育者が不適切にかかわることによって,嫉妬や不満が重なり,心身の訴えや行動上の問題に発展することがある2)ので注意が必要である。
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