特集 周産期から広がるファミリーセンタードケア
コミュニケーション
海外のFCCから学ぶコミュニケーションの必要性
糸島 亮
1
ITOSHIMA Ryo
1
1長野県立こども病院新生児科
pp.791-795
発行日 2026年8月10日
Published Date 2026/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002784
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医療とコミュニケーション
「コミュ力」という言葉が一般にも浸透しているように,日常生活のなかでコミュニケーションを必要とする場面は多い。そして医療では患者や家族との対話を避けて診療を行うことはできず,医療者と患者・家族との良好なコミュニケーションは不可欠である。しかし,医療におけるコミュニケーションは,診断や治療技術とは異なり,その重要性が理解されていても体系的に学ぶ機会は決して多くない。患者・家族とのコミュニケーションは,信頼関係を築くだけでなく,治療への参加や共同意思決定を支え,さらには治療成績にも影響を及ぼす。そのため,コミュニケーションは医療者に求められる重要な専門能力の一つと考えられている。近年,海外ではファミリーセンタードケア(FCC)の普及とともに,コミュニケーションを体系的に学び,医療者教育として実践する取り組みが広がっている。
新生児医療における医療者と家族のコミュニケーションは,両者の関係性を構築するという役割にとどまらず,家族への心理的支援や親子関係の形成支援,さらには赤ちゃんの発達促進といった意味合いをもつ。あるレビューでは,①関係の構築と維持,②情報交換,③共同意思決定,および④両親の自己マネージメントを可能にすることが,新生児集中治療室(NICU)でのコミュニケーションの役割とされている1)。

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