特集 周産期における生命倫理を考える
着床前遺伝学的検査
PGT-Mの対象疾患に関する議論のポイント 日本小児科学会
山本 俊至
1,2
YAMAMOTO Toshiyuki
1,2
1東京女子医科大学大学院医学研究科先端生命医科学系専攻遺伝子医学分野
2東京女子医科大学ゲノム診療科
pp.57-59
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002563
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はじめに
日本産科婦人科学会(日産婦)では,単一遺伝性疾患における着床前診断の可否について,個別に可否を審査している。着床前遺伝学的検査(PGT-M)の実施が容認されるのは,従来はDuchenne型筋ジストロフィーをはじめとする「成人に達する以前に日常生活を著しく損なう状態が出現したり,生命の生存が危ぶまれる状況になる疾患」のみとされてきたが,臨床倫理審議会を経て2022年からこの定義が改められ,「原則,成人に達する以前に日常生活を強く損なう症状が出現したり,生存が危ぶまれる状況になり,現時点でそれを回避するために有効な治療法がないか,あるいは高度かつ侵襲度の高い治療を行う必要のある状態」と再定義された。いずれにせよこの定義に合致するのは,小児期から重篤な症状が認められる場合と定義されているため,おのずと小児科領域の疾患であり,小児科医あるいは日本小児科学会が主に診療を担っているケースが多い。

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