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COVID-19の流行の変遷
2019年末に中国・武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,瞬く間に全世界へと拡がり,これまで経験したことのないパンデミックを引き起こした。日本国内では2020年1月に1例目が発生し,2020年2月1日付で感染症法上の指定感染症に位置づけられ,その後,新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)として厳格な感染対策が講じられてきた。流行初期は,感染症法に基づく感染症発生動向調査(NESID)の疑似症サーベイランスとして全例が届出されていたが,指定感染症に指定された後もしばらくはNESIDを通じた全数把握が続けられた。その後,患者数の急増などもあり,2020年5月末より新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)が導入され,それと同時にCOVID-19のNESIDの登録が中止された。NESIDは診断時の届出に基づき情報を登録するシステムであり,臨床経過を追記する機能は備えていなかった。その欠点を補う目的で設計されたのがHER-SYSであったが,登録後の臨床経過や転帰に関する情報の追加や修正は任意であったため,実際のところは重症化や死亡した患者の情報は不完全であった。加えて,安定的なHER-SYSの運用までに時間を要し,結果的には自治体が公表する症例リストを収集し,新規陽性者数,重症者数,死亡者数の把握が行われ,オープンデータとしてまとめられた1)。ただし,オープンデータに関しては,自治体によっては患者数などの情報の発表を行わない場合もあり,HER-SYSもオープンデータも完全に情報を把握できているとは言いがたい状況であった2)。

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