特集 FGR・SGA 児のトピックス
産科
分娩中の管理
谷垣 伸治
1
,
高屋敷 瑞穂
1
,
小林 千絵
1
TANIGAKI Shinji
1
,
TAKAYASHIKI Mizuho
1
,
KOBAYASHI Chie
1
1杏林大学産科婦人科
pp.184-187
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002025
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分娩時期の決定
Fetal growth restriction(FGR)の管理は,経母体的治療(安静,栄養,酸素投与,抗凝固薬,子宮収縮抑制薬)の有用性が否定されていることから,可能な対処は時期を逸することなく娩出することのみといってよい。妊娠期間の延長は児の未熟性を回避できる可能性があるが,不良な成育環境の継続は胎児状態の悪化,後遺障害の発生,子宮内胎児死亡の懸念がある。すなわちFGRの管理はジレンマを抱えている。FGRの至適分娩時期はコンセンサスがなく,人工早産による新生児の未熟性と胎内での状態悪化のリスクを各施設で比較,さらに自施設の周産期医療資源と新生児の管理成績を勘案し,分娩時期を決定していると思われる。

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