増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎児心拍数
遅発一過性徐脈はどうして起こるのか。そのメカニズムは?
松田 義雄
1
,
三谷 穣
2
MATSUDA Yoshio
1
,
MITANI Minoru
2
1東京医療保健大学
2福田病院産婦人科
キーワード:
遅発一過性徐脈
,
化学受容体
,
圧受容体
,
子宮胎盤循環機能低下
Keyword:
遅発一過性徐脈
,
化学受容体
,
圧受容体
,
子宮胎盤循環機能低下
pp.179-182
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001269
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遅発一過性徐脈の変遷
遅発一過性徐脈は1950年代より報告されていた1)。1979年,Martinらはヒツジ胎仔を用いた実験を行い,母体子宮動脈の一過性閉塞によって胎仔の一過性低酸素状態を引き起こすと血圧が上昇し,それに引き続いて胎仔の一過性徐脈が生じ,血圧の上昇はαアドレナリン遮断薬によって消失し,副交感神経遮断薬によって消失することを報告した。さらに,低酸素状態が悪化し酸血症になると,これらの薬剤によっても一過性徐脈は消失しないことを報告した2)。
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