特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
各論
消化管重複症
岡﨑 任晴
1
OKAZAKI Tadaharu
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院小児外科
pp.1646-1648
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001165
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はじめに
消化管重複症は古くはenteric cyst,enterogenous cyst,diverticula,ileum duplexなどさまざまな名称が使用されてきた。1937年Laddにより「duplication of the alimentary tract」の用語が用いられ,① 平滑筋を有し,② 消化管上皮を認め,③ 本来の消化管に接すること,が定義され,1952年Grossらにより67例の症例が報告された。わが国では消化管重複症の用語が用いられている。本症は比較的稀な先天性の消化管奇形で,発生頻度は4,500出生に対し1例で,男女比は3:2で男児に多いと報告されている。囊胞状あるいは管状の形態を呈し本来の消化管の腸間膜側に存在し,共通の血管を所有する。発生部位は舌根部から肛門までの全消化管に存在しうる。
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