Japanese
English
特集 NICUからのリハビリテーション
NICUにおけるファミリーセンタードケア
Family-centred care in neonatal care
豊島 勝昭
1
Katsuaki Toyoshima
1
1神奈川県立こども医療センター新生児科
1Department of Neonatology, Kanagawa Children's Medical Center
キーワード:
早産児
,
低出生体重児
,
発達支援
,
家族支援
Keyword:
早産児
,
低出生体重児
,
発達支援
,
家族支援
pp.603-608
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203135
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はじめに
2003〜2022年の20年間に神奈川県立こども医療センター(以下,当院)の新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)に入院した1,000g未満出生の超低出生体重児は612名,生存退院は563名(92%)であった.当院は2001年に,それまでの血圧を指標とした循環管理から心臓超音波検査(以下,心エコー)検査指標に基づくテーラーメイド型循環管理を提唱して以降,死亡率や重症脳室内出血などの合併率の減少を報告してきた1,2).
筆者はこの20年間に,超低出生体重児のNICU退院後のフォローアップ外来を担当してきた.早産児医療において長らく課題であった脳性運動麻痺や未熟児網膜症による視力障害は防げるようになった.その一方で,退院後に“障害感”に悩む子供たちとその家族が少なからずいることから,NICUの集中治療で合併症を予防するだけでは解決できない超低出生体重児の発達面の課題を実感した.こうした経験を経て,NICUにおけるファミリーセンタードケア(family centered care)は,NICU退院後に続く早産児の発達支援や生活支援において重要な概念であると考えるようになった.
本稿では,2012年以降,当院周産期医療センターの多職種で取り組んできたファミリーセンタードケアについて言及する.
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