特集 母体救急医療・母体救命の進歩
各論
救急処置を要する症状とその対応 急性腎障害
本多 泉
1
HONDA Izumi
1
1東京都立多摩総合医療センター産婦人科
pp.236-240
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000054
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はじめに
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,急激な腎機能の低下により尿量の減少,細胞外液や電解質の調整障害をきたす。慢性腎疾患へ移行することもあり,母体に生涯にわたるリスクを負わせる可能性がある。先進国では減少傾向といわれていたが,近年妊婦の高齢化,高血圧や耐糖能異常の合併の増加,慢性腎臓病合併や腎摘出後・腎移植後の妊娠が許容されたことなどの理由で,増加傾向にあるといわれている1)。
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