特集 母体救急医療・母体救命の進歩
各論
救急処置を要する症状とその対応 意識障害
中西 篤史
1
,
吉松 淳
1
NAKANISHI Atsushi
1
,
YOSHIMATSU Jun
1
1国立循環器病研究センター産婦人科
pp.227-231
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000052
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はじめに
意識障害とは,周囲の環境や自己を認識することに障害が起こった状態である。意識は,脳幹網様体(延髄~中脳)から大脳皮質に及ぶ上行性網様体賦活系,視床,視床下部が関与しつかさどるとされる。これらの部位の障害,すなわち,外傷や脳出血による両側大脳皮質の広範囲な障害や脳幹の機能的,器質的な障害で意識障害が起こりうるが,代謝異常(低酸素,低血糖など)など全身性の疾患でもびまん性に両側大脳半球,脳幹の障害をひき起こし,意識障害の原因となる。
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