特集 耳鼻咽喉科領域における患者支援機器
【咽喉頭領域】
嚥下リハビリテーションの支援機器
石田 知也
1
,
杉山 庸一郎
1
Tomoya Ishida
1
,
Yoichiro Sugiyama
1
1佐賀大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
咽頭期嚥下
,
電気刺激療法
,
干渉波電流刺激
Keyword:
咽頭期嚥下
,
電気刺激療法
,
干渉波電流刺激
pp.417-420
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002079
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嚥下障害の病態生理と嚥下リハビリテーション支援機器
嚥下は多くの感覚入力・運動出力が関与する複雑な振る舞いである。(口腔)準備期における咀嚼や食塊形成時の顎運動・舌運動,口腔期における食塊を咽頭へ送り込むための舌運動は円滑な咽頭期嚥下への移行に重要である。咽頭に運ばれた食塊による咽頭・喉頭感覚刺激が延髄に存在する嚥下中枢に伝達され,一定の閾値を超えると喉頭挙上,咽頭収縮,声門閉鎖,食道入口部開大運動などを掌る各種嚥下関連筋が連続的に決まったパターンで弛緩および収縮し,咽頭期嚥下運動が形成される。この感覚入力から運動パターン形成,運動出力までを掌る一連の神経ネットワークを嚥下セントラルパターンジェネレーターと呼ぶ。食道期では第一および第二蠕動により食塊を胃へと運ぶ。第一次蠕動波は咽頭期嚥下から続く一連のパターン運動でもある。嚥下障害ではこれらの要素が複数障害されることが多い。リハビリテーション支援機器を用いる場合にはどの機能の改善を目的とするか,どこまで改善が期待できるかを事前にある程度把握しておく必要がある。そのために,嚥下障害の病態生理を各種嚥下機能検査で評価する。支援機器にはさまざまな種類があるが,自己訓練が可能か,医療従事者による操作が必要か,自宅で使用できるのか,あるいは医療施設でのみ使用可能なのか,など使用条件についても機器ごとに異なるため,実際の使用にあたってはある程度各支援機器について知っておく必要がある。本稿では嚥下障害の病態生理に合わせた嚥下リハビリテーション支援機器について述べる。

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