連載 診療つれづれ
在宅で食べられないをどう支えるか
菊谷 武
1
Takeshi Kikutani
1
1日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック
キーワード:
摂食嚥下障害
,
在宅療養
,
高齢者
Keyword:
摂食嚥下障害
,
在宅療養
,
高齢者
pp.1266-1268
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001814
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はじめに
療養生活を余儀なくされた人の多くは,住み慣れた自宅で暮らすことを希望する。家族とともに食べる食事は人生に彩を与えてくれる。一方で,摂食嚥下障害を抱える人にとって食べることは時として肺炎や誤嚥のリスクともなり得ることから,障害が重度と判断された患者に対して,医療者は禁食を求める傾向にある。食べたい,食べてもらいたいという本人,家族の想いと,肺炎発症や窒息事故を防ぎたいという医療者側の想いが時として対立することもあり,倫理上の問題として論議される。

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