特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
耳領域
難治性耳漏を生じた術後乳突腔障害の症例
上野 真史
1
,
新田 清一
2
Masafumi Ueno
1
,
Seiichi Shinden
2
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
2済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科
キーワード:
術後乳突腔障害
,
耳漏
,
乳突腔充塡術
Keyword:
術後乳突腔障害
,
耳漏
,
乳突腔充塡術
pp.946-948
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001219
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術後乳突腔障害とは
術後乳突腔障害とは,外耳道後壁削除型鼓室形成術の術後乳突腔に耳垢(debris)が貯留し感染を起こし,肉芽増生,遷延する耳漏などが生じる現象である1)。本現象は,耳漏が長期間持続するだけでなく,頻回の外来清掃処置を必要とし,さらに処置の際には吸引による温度低下が乳突腔内の外側半規管を刺激することでしばしば強い眩暈症状を伴い,患者のQOLを著しく低下させる。
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