特集 往診で行う診療―耳鼻咽喉科疾患
往診時の診療のポイント
鼻疾患
波多野 瑛太
1
,
吉川 衛
1
Akihiro Hatano
1
,
Mamoru Yoshikawa
1
1東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科学講座
キーワード:
往診
,
鼻出血
,
高齢者
Keyword:
往診
,
鼻出血
,
高齢者
pp.282-284
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000494
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はじめに
日本の高齢化は進行し,65歳以上の人口は現在3,500万人を超え,2042年には約3,900万人となりピークを迎える。その後も75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想され,訪問診療と往診による在宅医療がより重要となってくる。鼻出血は加齢とともに頻度が増すことが知られているが,その理由の1つとして加齢による鼻粘膜の組織学的な変化が挙げられる。また,加齢とともに心疾患や脳血管障害の罹患率も増加し,抗血小板・抗凝固薬の使用も増加する。出血が軽微であれば用手圧迫のみで止血可能であるが,軽微でない場合は往診による止血処置を要することもあり得る。往診という限られた状況において的確に止血するためには,高齢者における鼻出血の特徴や止血方法について熟知することが重要となる。
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