連載 症例をどうみるか
シスプラチン+5-FU+セツキシマブ療法開始3年後にt-MDSを発症した1例
岡田 隆平
1
,
長尾 俊景
2
,
金井 光
2
,
朝蔭 孝宏
1
Ryuhei Okada
1
,
Toshikage Nagao
2
,
Hikari Kanai
2
,
Takahiro Asakage
1
1東京医科歯科大学頭頸部外科
2東京医科歯科大学血液内科
キーワード:
頭頸部癌
,
化学療法
,
晩期合併症
Keyword:
頭頸部癌
,
化学療法
,
晩期合併症
pp.1517-1521
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000386
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はじめに
悪性腫瘍,自己免疫性疾患,臓器移植に対する化学療法や放射線治療の遅発性合併症として治療関連骨髄腫瘍(therapy-related myeloid neoplasm:t-MN)があり,治療関連急性骨髄性白血病(therapy-related acute myeloid leukemia:t-AML),治療関連骨髄異形成症候群(therapy-related myelodysplastic syndrome:t-MDS),治療関連骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(therapy-related myeloid dysplastic/myeloproliferative neoplasm:t-MDS/MPN)からなる。悪性腫瘍に対する治療が原因であることが大半で,その内訳としては70%が固形癌,30%が血液腫瘍と報告されている1)。わが国でも頭頸部癌の治療後にt-MDSを発症した報告が少ないながら散見される2~4)。今回,シスプラチン+5-FU+セツキシマブ(PF+Cmab)療法開始3年後にt-MDSを発症した下咽頭癌患者を経験したので報告する。
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