特集 薬にまつわる疑問に答える
薬にまつわる疑問
6.有害事象
処方の際に注意すべき主な既往症,合併症を教えてください
上田 幹子
1
,
浦川 龍太
1,2
Mikiko Ueda
1
,
Ryuta Urakawa
1,2
1大阪大学大学院薬学研究科・薬学部医療薬学分野
2大阪大学歯学部附属病院薬剤部
キーワード:
既往症
,
合併症
,
副作用
Keyword:
既往症
,
合併症
,
副作用
pp.1043-1046
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000264
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
薬は投与してから排泄されるまでに,ADMEと呼ばれる吸収(absorption),分布(distribution),代謝(metabolism),排泄(excretion)という過程をたどる。薬の用法用量は,十分な薬の効果を発揮させるとともに副作用をできる限り抑えるため,このADMEに基づいて設定されている。ADMEは患者が罹患している病気や生理機能に影響を受けるため,薬を使用するにあたり,患者の現病歴や既往歴を把握することはとても重要である。また,処方した薬による副作用が,患者が持っている病気の悪化や合併症の発症につながる場合がある。以下に薬を処方する際に注意を要する代表的な疾患と,注意すべき薬の例を挙げる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.