特集 咀嚼と嚥下と誤嚥性肺炎
チームで取り組むシームレスな嚥下障害診療
診療所の役割
加藤 健吾
1
Kengo Kato
1
1かとう耳鼻咽喉・嚥下クリニック
キーワード:
チーム医療
,
高齢者嚥下障害
,
診療所
,
嚥下かかりつけ医
Keyword:
チーム医療
,
高齢者嚥下障害
,
診療所
,
嚥下かかりつけ医
pp.563-566
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000139
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はじめに
スペインかぜが大流行した1918年から1920年には日本の死因第1位だった肺炎は,その後抗菌薬の開発や栄養状態,保健制度の改善とともに急速に死亡数が減少した。しかし1980年代に入ると肺炎による死亡は再び増加に転じ,2011年には日本の死因第3位となった。肺炎死の9割は高齢者であり,高齢者肺炎の8割以上は誤嚥性肺炎であるとする報告もあり,日本における肺炎死の増加は日本社会の急速な高齢化に伴い高齢者の嚥下障害症例が増加した結果を反映したものといえる。従来,嚥下障害は脳出血,脳梗塞による脳卒中後例が最多数を占めていたが,今日では加齢に伴う嚥下機能低下例が多くを占めるようになった。
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