Japanese
English
特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第3章 泌尿器科疾患
9.腎移植に使われている免疫抑制薬:リンパ球増殖抑制薬;15-デオキシスパーガリン(グスペリムス塩酸塩)
Immunosuppressive drug used in kidney transplantation―Lymphocyte proliferation inhibitor:15-deoxyspergualin(gusperimus hydrochloride)
渡井 至彦
1
Watarai Yoshihiko
1
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院移植外科
キーワード:
15-deoxyspergualin
,
DSG
,
腎移植後拒絶反応
Keyword:
15-deoxyspergualin
,
DSG
,
腎移植後拒絶反応
pp.516-519
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002191
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 はじめに
15-デオキシスパーガリン(15-deoxyspergualin:DSG)は,1981年に栃木県大平山の土壌中に生息していた細菌Bacillus laterosporusの培養濾液より抽出された抗生物質spergualinの誘導体であり1),1985年にUmezawaら2)が免疫抑制作用を有することを報告し免疫抑制薬としての応用が検討された。その後,腎移植後の拒絶反応に対する臨床研究を経て1994年4月に「腎移植後の拒絶反応(促進型及び急性)の治療」に対してグスペリムス塩酸塩製剤スパニジン®が保険収載された。DSGは慣用名でありグスペリムス塩酸塩(gusperimus hydrochloride)ともいわれる。抗腫瘍効果も報告されているが3),近年ではANCA関連血管炎に対する効果も報告されている4)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

