交見室
過活動膀胱治療薬オキシブチニン塩酸塩の特性について
大井 一弥
1
Kazuya Ooi
1
1鈴鹿医療科学大学大学院薬学研究科臨床薬理学研究室
pp.978-979
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205823
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オキシブチニン塩酸塩(オキシブチニン)は,抗ムスカリン作用および平滑筋直接弛緩作用を併せ持つ過活動膀胱治療薬である.本邦では,1988年に経口薬として承認・発売され,ポラキス®錠として医療現場で繁用されてきた.オキシブチニンの有効性は広く臨床で評価され,2013年に本邦初の経皮吸収型過活動膀胱治療薬としてネオキシ®テープが登場した.
本邦は超高齢社会の最中にあり,高齢者は年齢を重ねるとともにさまざまな疾患に罹患し,その都度,薬が処方されるため,おびただしい剤数の薬を服用している.また,高齢者の生理機能低下は,薬物の代謝や腎排泄の遅延を引き起こし,薬物有害事象の発現頻度を高めているため,投与経路を考慮した処方設計が望ましい.
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