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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
IV.各論3:尿細管・間質性疾患(診断と治療)
3.薬物・化学物質による尿細管間質障害
Drug and chemical-induced tubulointerstitial injury
平和 伸仁
1
Hirawa Nobuhito
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
薬剤
,
化学物質
,
メカニズム
,
診断
,
治療
Keyword:
薬剤
,
化学物質
,
メカニズム
,
診断
,
治療
pp.293-298
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001617
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1 はじめに
尿細管・間質性腎障害の原因は,さまざまであるが最も高頻度に認められるのは薬剤性である。約7割は薬剤性といわれており,急性および慢性の尿細管・間質障害の主因となる。また,薬剤性のうち,その1/3は抗菌薬によるものであり,ほかには非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬,利尿薬や胃薬,尿酸合成抑制薬などが過敏性(アレルギー性)の尿細管間質性腎炎〔いわゆる急性間質性腎炎(acute interstitial nephritis:AIN)〕の原因となる。また,尿細管への直接毒性として知られているのが,抗菌薬や重金属,造影剤そして抗がん薬などの薬剤である。さらに,近年,免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)が広く使われるようになり,通常の薬剤性間質性腎炎とは異なる免疫寛容の破綻が関与する病態が知られるようになってきた。糸球体腎炎(腎障害)や血管障害とともに腎機能障害の重要な病態である尿細管・間質障害のうち,薬剤・化学物質によるものについて,本稿では概説する。
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