特集1 いま,ここにあるセクハラ―問題にしない&させない圧力はどこからくるのか。
―先輩はこう思う―セクハラは「インシデント,アクシデント」にしなければダメ
栗田 育子
1
1大阪府立中宮病院
pp.32-38
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900554
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みなさん,毎日のびやかに仕事ができていますか?
精神病院で仕事をしはじめてから,もう20年になろうとしています。「いつか精神科で働いてみたい」という夢が現実になってから,多くの戸惑いや疑問に押し潰されそうになりながらも,精神科の不思議な魅力に取りつかれてここまで来てしまった,というのが実感です。
以前勤務していた病院が,その時代にはめずらしく個々の主体性や自主性を尊重してくれる民主的な運営をしていたこともあり,長い歴史と独特の文化をもった精神病院の日常は,毎日が不思議な出来事の連続でした。絶対に他の社会では会えないだろうと思われる個性的な先輩たちと,古くから脈々として培われてきているヒエラルキーの不思議な共存。そこにある人間関係は,地縁と血縁を中心とした「村」のように私には見えました,精神病院に限らず,病院という組織自体が社会と隔絶されやすい性質をもっているという点で,多少なりとも共通の空気をもっているのではないかと思います。
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