Japanese
English
特集 予防医学からみた腎疾患診療
【CKDの発症・進展と合併症のリスクとされるエビデンス】
高尿酸血症 CKDの発症・進展と合併症のリスクとなるメカニズム
Mechanisms of hyperuricemia causing CKD development and progression and risk of complications
市田 公美
1
ICHIDA Kimiyoshi
1
1東京薬科大学 病態生理学教室
キーワード:
痛風腎
,
ABCG2
,
uromodulin
Keyword:
痛風腎
,
ABCG2
,
uromodulin
pp.877-881
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000175
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
高尿酸血症が腎障害の発症・進展を引き起こしたり,併発する腎障害を促進することは,以前から多くの疫学研究および基礎研究により示されてきた。これらの機序として,かつては高尿酸血症と尿中尿酸排泄量増加が持続することにより尿細管と間質に尿酸が析出・沈着する,いわゆる痛風腎の病態を呈することにより腎障害を惹起または促進すると考えられていた。この機序は,1980年代に痛風腎に対する否定的な意見がみられた時期を除けば,一貫して支持されている。しかし,現在では種々の研究の結果,腎臓への尿酸沈着だけではなく,複数の機序により腎障害をきたす,あるいは促進すると考えられている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.