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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
3. 非上皮性陥凹病変
胃悪性リンパ腫(DLBCL)(限局潰瘍型)
Diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL) (ulcerative type)
剛﨑 有加
1
,
有馬 美和子
2
,
井下 尚子
3
Yuka KOWAZAKI
1
,
Miwako ARIMA
2
,
Naoko INOSHITA
3
1埼玉県立がんセンター内視鏡科
2上尾中央総合病院消化器内科
3埼玉県立がんセンター病理診断科
キーワード:
胃悪性リンパ腫
,
DLBCL
,
限局潰瘍型
Keyword:
胃悪性リンパ腫
,
DLBCL
,
限局潰瘍型
pp.240-241
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000436
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疾患の概要
胃原発悪性リンパ腫は,胃悪性腫瘍のうち3~10%と比較的稀な疾患であるが,節外性リンパ腫のなかでは30~40%を占め,もっとも頻度が高い。このうち,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)は30~40%を占め,節外性粘膜関連リンパ組織辺縁帯B細胞リンパ腫(extranodal marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue:MALT)に次いで多い組織型である1)。DLBCLは組織学的に大型異型B細胞のびまん性浸潤像を呈し,免疫染色でB細胞マーカーのCD20やCD79aなどに陽性となる。肉眼/内視鏡分類は,本邦では佐野分類(表層型,潰瘍型,隆起型,決潰型,巨大皺襞型)と八尾分類(表層拡大型,腫瘤形成型,巨大皺襞型)が汎用され,DLBCLでは隆起型や潰瘍型などの1型や2型進行胃癌に類似した形態を呈することが多い。臨床病期には,18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography/CT(FDG-PET/CT)が有用で,病期分類はLugano国際会議分類(Ⅰ:消化管限局腫瘍かつ漿膜浸潤なし,Ⅱ1:腹腔内に進展した腫瘍+所属リンパ節浸潤,Ⅱ2:腹腔内に進展した腫瘍+遠隔リンパ節に浸潤(傍大動脈,骨盤内腔,腸間膜など),ⅡE:漿膜を越え隣接臓器に浸潤,Ⅳ:広範な節外臓器への播種または横隔膜を越えたリンパ節浸潤)が広く用いられている。
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