特集 すべてがわかるIBDの内視鏡
IBDの上部消化管病変
嘉島 伸
1
,
藤谷 幹浩
,
杉山 雄哉
,
村上 雄紀
,
岩間 琢哉
,
安藤 勝祥
,
上野 伸展
,
盛一 健太郎
,
田邊 裕貴
,
奥村 利勝
1旭川医科大学 内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野
キーワード:
Crohn病
,
胃疾患
,
十二指腸疾患
,
食道疾患
,
大腸炎-潰瘍性
,
消化管内視鏡法
,
上部消化管
Keyword:
Duodenal Diseases
,
Stomach Diseases
,
Esophageal Diseases
,
Colitis, Ulcerative
,
Crohn Disease
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Upper Gastrointestinal Tract
pp.290-296
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020163380
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炎症性腸疾患(IBD)にはCrohn病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)が存在し、いずれの疾患も下部消化管が病変の主座の慢性炎症性疾患である。しかし上部消化管にも特徴的所見を伴うことがあり、診断確定に寄与する症例が少なくない。そのためIBD上部消化管病変の特徴を把握し診療にあたる必要がある。CDでは、胃体部~穹窿部の竹の節状外観や縦走配列の幽門部びらん、十二指腸病変としてはnotch様外観や数珠状隆起などの所見が高い特異性を示し、確定診断の一助となる。またUCの上部消化管病変は、大腸病変に類似したびまん性の脆弱な細顆粒状の粘膜であり、出血を伴う場合はUCに準じた治療が必要となる。以上から、IBD診断においては下部に加え、上部消化管内視鏡検査を行うべきである。
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