特集 結石除去を極める
胆石 EUS下経胃的胆管アプローチによる結石除去
向井 俊太郎
1
,
祖父尼 淳
,
土屋 貴愛
,
石井 健太郎
,
田中 麗奈
,
殿塚 亮祐
,
本定 三季
,
山本 健治郎
,
小嶋 啓之
,
糸井 隆夫
1東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野
キーワード:
砕石術
,
ステント
,
総胆管結石症
,
総胆管造瘻術
,
吻合術
,
インターベンショナル超音波診断
,
超音波内視鏡検査
,
治療成績
,
肝内結石症
,
内視鏡的胆道ドレナージ
,
吻合部狭窄
Keyword:
Endosonography
,
Lithotripsy
,
Stents
,
Choledochostomy
,
Anastomosis, Surgical
,
Ultrasonography, Interventional
,
Treatment Outcome
,
Choledocholithiasis
pp.1670-1676
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020117098
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EUS-ASRはEUS-HGSにより形成したルートを用いて、順行性に胆管結石除去を行うものである。適応は、ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影法)処置が困難な症例かつランデブー法でもアプローチできない。術後再建腸管例、消化管閉塞例で乳頭もしくは吻合部に到達困難な症例や、到達できたとしても結石除去困難な症例である。小結石など好条件であれば一期的に行うことも可能であるが、瘻孔を介して結石除去を行う方法であり胆汁漏出に伴う胆汁性腹膜炎などの偶発症も起こりうることから、安全性を考慮してまずEUS-HGSにてドレナージを行い、そのあとに瘻孔が完成してから結石除去を行う二期的な治療を基本としている。EUS-ASRは、総胆管結石治療のみならず胆管空腸吻合部狭窄によって生じた肝内胆管結石治療にも応用されるが、難渋する症例も多い。難治例に対しては形成された瘻孔を拡張して経口胆道鏡を挿入することで、電気水圧衝撃波結石破砕術を用いて結石を破砕したり、強固な吻合部狭窄を突破したりすることが可能となり有用である。
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