特集 食道の炎症を視る
総論 食道の炎症性疾患の診断の進め方
眞部 紀明
1
,
藤田 穣
,
鎌田 智有
,
春間 賢
1川崎医科大学総合医療センター 検査診断学(内視鏡・超音波)
キーワード:
胃食道逆流
,
食道鏡法
,
食道疾患
,
食道腫瘍
,
鑑別診断
,
水素イオン濃度
,
病歴聴取
,
扁平上皮癌
,
食道炎-好酸球性
,
食道内圧測定
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Diagnosis, Differential
,
Hydrogen-Ion Concentration
,
Esophageal Diseases
,
Esophagoscopy
,
Gastroesophageal Reflux
,
Esophageal Neoplasms
,
Medical History Taking
,
Eosinophilic Esophagitis
pp.1122-1131
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019338457
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食道の炎症性疾患を正確に診断し適切に治療していくためには、日常診療で頻回に遭遇する胃食道逆流症と対比して鑑別疾患を整理しておくことが重要と考えられる。その鑑別すべき疾患には好酸球性食道炎などのアレルギー疾患、カンジダ食道炎などの感染症、薬剤性食道炎、皮膚疾患に伴う食道病変など種々の疾患があげられる。問診で食道疾患を疑った際には、一般に上部消化管内視鏡検査を施行することが多いため、それぞれの疾患における特徴的食道内視鏡像を把握しておく必要がある。また、確定診断には生検が必須のものや、上部消化管内視鏡検査では異常がみられず特殊検査を要する疾患もあるため、それぞれの疾患の臨床的特徴像を理解しておくとともに各種検査所見が陰性であった場合の対応を理解しておく必要がある。近年、本邦ではさまざまな環境因子の変化により消化管疾患の疾患構造が変化しているため、現状にあった鑑別疾患の知識を常にアップデートしておくことも重要である。
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