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症例をどうみるか Dorello管近傍の炎症に伴い外転神経麻痺を呈した蝶形骨洞粘液瘤の1例
武田 鉄平
1
,
森 恵莉
,
鴻 信義
,
小島 博己
1東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科教室
キーワード:
MRI
,
視野検査
,
蝶形骨洞
,
内視鏡法
,
粘液嚢腫
,
副鼻腔疾患
,
外転神経疾患
,
Dorello管
,
頭部CT
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Mucocele
,
Paranasal Sinus Diseases
,
Endoscopy
,
Sphenoid Sinus
,
Abducens Nerve Diseases
,
Visual Field Tests
pp.327-330
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2021157936
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症例は30歳女性で、頭痛、複視を主訴とした。視野検査において左外転障害を認めた。副鼻腔CTでは蝶形骨洞内に軟部陰影を認め、左蝶形骨洞後方外側の一部骨欠損を認めた。MRIではCTと同部位にT2強調像で高信号域を認め、また左蝶形骨洞後壁周囲硬膜の増強効果を認めた。左蝶形骨洞粘液瘤および炎症の波及に伴う左外転神経麻痺と診断し、内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行し左蝶形骨洞粘液瘤を開放した。手術日よりハイドロコルチゾンを漸減して投与し、左外転障害は術後3日より徐々に改善を認め、術後5日で退院した。術後2ヵ月には眼球運動障害は消失し、術後1年の副鼻腔CTで再燃は認めなかった。
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